初心者が英語の『音節』を一発で理解できるわかりやすいイラスト解説

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マサ
カナダ・バンクーバー在住のエンジニア
効率的な英語勉強法を日々模索する万年英語中級者。
1年の勉強でTOEICで800点取るための勉強法を自身の失敗から発信中です。
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あなたは音節(シラブル)を知っていますか?
お恥ずかしながら私は社会人になり本格的に英語の勉強を始めるまで音節の存在を全く知りませんでした。
ネイティブスピーカーの英語って日本人のカタカナ英語と全然違うスピードやリズムですよね?
この違いを生んでいる秘密がこの記事で取り上げる音節。
正しい音節を知っていると英語のリスニングとスピーキングが一気に上達しますよ。
TOEICではスピーキングのテストはありませんが、あなたの英語力の基礎を固めるために音節を含んだ発音学習はとても大切です。
なぜ発音学習がTOEICの勉強に大切なのか、解説は以下の記事をご覧ください。
それでは、初めて音節という言葉を知った方でも一発で覚えられるようにイラスト付きでわかりやすく解説していきます。
目次
「音節」とは音のまとまり
「音節(シラブル)」とは簡単に言うと「音のまとまり」のことです。
いきなり「音のまとまり」と言われてもわからないですよね?
具体例で解説します。
この亀は何色ですか?
この亀の色は「緑(みどり)」です。
では「みどり」の音に合わせて手拍子をしてみてください。
- み
- ど
- り
手拍子は3回になりましたね。
これが「音のまとまり」、つまり「音節」なんです。
手拍子を打つタイミングが音節です。
1つの母音が1音節
続いてこの赤い部分は何かわかりますか?
赤い部分は母音です。
母音は3つありますよね?
音節の数は母音の数と一致します。
言い換えるとひとつの音節にひとつの母音があります。
母音:
喉の奥からそのまま出る音のこと。
カ行だとKA、KI、KU、KE、KOのAIUEOの部分が母音です。
子音:
舌や歯や唇によって出る息や声の音のこと。
カ行だとKA、KI、KU、KE、KOのKの部分が子音です。
そして音節はそれ以上細かく分けることができない音のまとまり。
例えば「み」を「m」「i」と分けて発音しても正しく聞き取れません。
「mi」が一番小さいまとまりになります。
・1音節につき母音を1つ含む
・1音で発音される音のまとまり
・単語を音で分けた一番小さいもの
ここまで日本語の「みどり」で音節とは何かを学びました。
続いては英語の音節を見てみましょう。
日本語と英語の音節は全く違う
ネイティブスピーカーの英語を聞いているとリズムが全然違うことに気付きます。
それは英語の音節が日本語の音節と全く違うから。
「1音節につき母音が1つ」のルールは同じなのですが、単語を作る文字の組み合わせが大きく異なるので日本語と英語の音節は違ってくるんです。
具体的に説明します。
日本語の音節:1文字1音節
日本語は1文字に1つの母音が含まれます。
音節とは1つの母音のまとまりなので、日本語は1文字が1音節になります。
五十音で考えるとわかりやすいです。
A、I、U、E、O
KA、KI、KU、KE、KO
……
このように母音がありますよね?
「子音、母音、子音、母音、子音、母音」と規則正しく並んでいます。
日本語は基本的に1つの子音に1つの母音がくっついて発音されます。
ただし厳密には母音だけの「あいうえお」や「ん」、「りょ(ryo)」など、子音の数が1つ以外の例外もありますが、「1つの子音+1つの母音」と考えておけば大丈夫ですよ。
ちなみに日本語は1文字ずつ1音節になるので、英語のネイティブスピーカーが日本語を聞くとカタカタとロボットのように聞こえるそうです。
またスペイン語も日本語と同じく、1つの子音に1つの母音がつくことが多い言語です。
そのため実は日本語を話す私たちにとってスペイン語は発音しやすく聞き取りやすい言語なんですよ。
さて話を戻して、続いては英語の音節を見ていきます。
英語の音節:多くの文字で1音節
英語の音節はたくさんの文字がくっついて1音節が作られます。
日本語は基本的に1つの子音に1つの母音で作られていたので大きな違いです。
先程は「みどり」で説明したので英語は「green」を見てみましょう。
「green」は1音節の単語です。
「e」が2つ入っているので2音節かな?と思ってしまいますが「grin」と1つの母音なので1音節1母音のルールからgreenは1音節になります。
もしカタカナ英語の「グリーン」と発音してしまうと「グ・リー・ン」と3拍の3音節になってしまいます。
正しい発音では1音節、カタカナ英語では3音節とあまりにも違いが大きいので伝わらないんですよね。
英語はこのようにたくさんの文字があっても1音節になることが特徴。
例えばこれらの単語は文字数も違いますがすべて1音節なんです。
- line / láin / → 子母子
- close / klóus / → 子子母子
- spring / spriŋ / → 子子子母子
- strict / strikt / → 子子子母子子
ざっくりとした見分け方は「子音+母音+子音」の組み合わせです。
例外もありますが、なんとなく母音が子音に挟まれているのが目安になります。
これからリスニングやスピーキングをするときは日本語と英語の音節が違うことを意識してみてくださいね。
音節を意識すると洋楽も歌いやすくなる
洋楽を上手く歌うコツは音節を意識すること。
日本語の音節であるカタカナ英語で洋楽を歌うとどうしてもリズムが合わず歌いづらいんですよね。
具体的に有名な曲でわかりやすくご説明します。
ビートルズの『Yesterday』です。
一番最初の歌い出しの「yesterday」に注目して聴いてみてください。
歌が始まる1音目で「yes」と歌っています。
「yes」は1音節なのでひとつの音符で歌います。
日本語の音節で歌ってしまうと「イ・エ・ス」と三連符になってしまいます。(1つの音で3つ発音する)
「yesterday」は「yes」「ter」「day」の3音節。
一方、カタカナで「イエスタデー」は「イ」「エ」「ス」「タ」「デー」と5音節。
メロディーは3音なのに5音節で歌ってしまうので違和感が出てしまうんですよね。
音節を意識して歌い出しをもう一度聴いてみてください。
「yes」「ter」「day」と3音=3音節になっていたのがわかりましたか?
洋楽を歌うときにも音節はいくつかを意識すると一気に上手く歌えるようになりますよ。
続いては再びTOEICや英会話のリスニング・スピーキングに戻って解説します。
正しい音節を知るのがリスニング・スピーキング上達の近道
英語は日本語とは違う音節を持っています。
つまりイングリッシュスピーカーが話す・聞き取る英語は正しい音節です。
正しい音節を知ることがリスニング力、スピーキング力を上げるために一番効果的なんです。
間違った音節が頭にあると伝わらないし聞き取れない
音節は英語のリズムを作っているため、間違った音節では伝わらないし聞き取れません。
先程の『Yesterday』のように本来の英語とカタカナ英語の音節は全く違います。
そのため中学校で習うような簡単な言葉や文でもイングリッシュスピーカーが話す英語が聞き取れなくなってしまいます。
英語が聞き取れないあなたが鍛えるべきものは文法や単語ではなく音節です。
そうは言っても我々日本人がパッと見ただけでは正しい音節はわかりません。
正しい音節の調べ方をお教えします。
正しい音節は辞書で調べられる
英単語の正しい音節は辞書に書いてあります。
慣れてくると「子音+母音+子音」の形で音節がわかるようになりますが、最初のうちは面倒ですが辞書で正しい音節を確認しましょう。
それでは有名なオンライン辞書のWeblio辞書で「beautiful」を調べてみます。

音節は「・」で分けられます。
「beautiful」は「beau・ti・ful」の3音節。
決して「ビュー・ティ・フ・ル」の4音節ではありません。

3つの音のリズムを意識すると綺麗に発音できますよ。
イメージ的には「タン・タ・タン」
注意しなければいけないのは母音の「発音」であって「綴り(スペル)」ではありません。
綴りの「beau」には「e」「a」「u」の3つの母音のアルファベットを含んでいますが、発音は「bjúː」で母音は「úː」の1つだけです。
まとめ
ネイティブスピーカーの英語と私たちのカタカナ英語が全く違うスピードやリズムになっている理由が音節です。
音節(シラブル)とは「音のまとまり」のこと。
単語のリズムはこの音節で決まります。
「beautiful」は「beau・ti・ful」の3音節で、カタカナ英語の「ビュー・ティ・フ・ル」の4音節ではありません。
音節の区切りの目安は「子音+母音+子音」の組み合わせです。
音節を意識してリスニング・スピーキングをすると知らなかったときより上達するはずです。
まずは簡単な単語でもどんな音節になっているか辞書で調べてみてくださいね。
そしてTOEICの学習において発音がとても重要な理由はこちらの記事で解説しています。
合わせてご覧ください。