英語初心者は発音の勉強を最初にすべき理由と方法を海外在住者が解説

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マサ
カナダ・バンクーバー在住のエンジニア
効率的な英語勉強法を日々模索する万年英語中級者。
1年の勉強でTOEICで800点取るための勉強法を自身の失敗から発信中です。
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ネイティブスピーカーのような発音の英語ってかっこいいですよね。
カタカナ英語でも話せないよりはましですが、できることなら正しい発音を使いこなしてみたいものです。
でも英語の発音ってただかっこいいだけではなく、英語学習全体の効率を上げるって知ってましたか?
英語の勉強において発音学習は大切で特に初心者の方にぜひ最初に発音学習を取り組んでもらいたいです。
この記事ではなぜ英語初心者の方が最初に発音学習をするべきなのか、どうすれば正しい発音をマスターできるのかを解説します。
もし本サイト『英スポ』がおすすめする英語学習の全体像をまだご覧になっていないのであれば以下の英語勉強法の解説記事も合わせて読んでみてください。
目次
英語初心者こそ発音学習を最初にするべき3つの理由
「発音は適当でも伝わるから問題ない」 そう思っていませんか?
私もずっとそう思っていました。
しかし海外に移住した今は発音の大切さを身に沁みて感じています。
カタカナ英語は通じません。
高確率で聞き返されてしまいます。
特に外来語として日本語になっている英単語は要注意です。
発音やアクセントが違うと全く聞き取ってもらえません。
私のように海外で恥をかかないように、英語初心者は最初に発音学習をするべきです。
私の娘はカナダの現地の小学校に通っています。
通常のクラスと英語が母国語でない人向けのクラスの2つに所属しています。
そのどちらのクラスでも一番最初にやったのが発音です。
ネイティブスピーカーの子供も学校で最初に発音を習います。
長年研究されてきた学校教育でもそうなので、発音学習を最初にやるべきだと感じませんか?
本サイト『英スポ』ではさらに日本人の英語勉強において最初に発音学習をするべき理由が3つあると考えています。
- 発音学習を英語勉強の最初にすると学習効率が上がるから
- 変な癖をつけずに勉強を始められるから
- アルファベット通りではない発音をするから
それぞれの理由を詳しくご説明します。
理由1:発音学習を英語勉強の最初にすると学習効率が上がるから
発音は英語の基礎を構成する要素です。
正しい発音を知っていればリスニング、スピーキングに特に効果が表れます。
発音はスポーツで言う筋肉のようなもの。
筋肉がつき基礎体力があると競技の練習も難なくこなせるようになりますよね?
すると練習がこなせるようになるとより高いレベルで競技を行うことができます。
発音という下地を作っておくとリスニングやスピーキングのスキルアップが格段に早くなります。
理由2:変な癖をつけずに勉強を始められるから
発音に必要なのは口や舌の動き、喉や息の使い方です。
これは野球の投球、サッカーのフリーキックなどと同じくフォームが大切。
最初から正しいフォームを身に着けておくと変な癖がつきません。
もしカタカナ英語や独自の発音が染み付いてしまっていると後で矯正するのが大変です。
過去にはもう戻れません。
今が一番、癖がついていないときです。
私のようにカタカナ英語で失敗しないように初めのうちに正しい発音を習得してしまいましょう。
理由3:アルファベット通りではない発音をするから
「発音なんか気にしなくてもローマ字読みでなんとかなる」 それは間違っています。
ネイティブスピーカーはすべての単語をスペル通りに発音しているわけではありません。
正確に言うと基本的にはアルファベットのスペル通りのルールに発音していますが、一部の単語ではあるルールにのっとって通常の発音ルールとは違う発音になります。
これは中級者以上で身に着けておきたい情報なので頭がパンクしてしまいそうな方はスルーしてしまって構いませんよ。
あなたは「水筒」を英語でなんて言うか知っていますか?
正解は「water bottle」です。
「ウォーター」と「ボトル」なんて小学生でも知っている単語ですよね。
辞書を見てみると発音記号はこうなっています。
- water : / wˈɔːṭɚ / (アメリカ英語), / wˈɔːtə / (イギリス英語)
- bottle : / bάṭl / (アメリカ英語), / bˈɔtl / (イギリス英語)
ここでのポイントは「ṭ」や「t」。
イギリスでは「t」は「t」の発音なので、「ウォーター」「ボトル」に近い発音になります。
一方アメリカでは「ṭ」を使っていて「ṭ」「l」や「d」に近い発音になります。
無理矢理カタカナにすると「ウォーラーボロル」「ウォーダーボドル」の中間あたり。
恥ずかしながらカナダ現地校に通う娘に「パパ、ウォーラーボロルちょうだい」と言われて聞き取れませんでした…。
ちなみにこういったことは日本語でも起きています。
「洗濯機」 これをなんと読みますか?
当たり前ですが「せんたくき」ですよね。
でも話し言葉では「せんたっき」と言ってしまうかと思います。
このように英語も日本語も話しているうちに徐々に変化していったものが例外として存在します。
ここまでマスターできたら"っぽい英語"になりますね。
そうは言ってもまずは基礎となるフォニックスと発音記号をマスターしましょう。
例外的な発音学習については現在絶賛開発中です。
英語発音の基礎はフォニックス
あなたは「フォニックス」を聞いたことがありますか?
最近の日本の学校では教えているところがあるそうですが、30代半ばの私は大人になるまで全く知りませんでした。
フォニックスはアルファベットの音を学ぶための学習法です。
英語の基礎である発音、その発音の基礎になっている大切なものです。
「ABC」は「エービーシー」以外の読み方がある
「ABC」は「エービーシー」と読みますよね?
半分正解です。
「エービーシー」はあくまでもアルファベットの名前です。
フォニックスはアルファベットの音を示します。
すると「A」は「ア」、「B」は「ブ」、「C」は「ク」といった感じ。
日本語で「あ」は名前も音も「あ」なのでイメージがつきにくいかもしれません。
一方で英語はアルファベットの名前である「エービーシー」と音の「ア、ブ、ク」は別物なんです。
フォニックスをマスターすれば大体の単語は発音できる
フォニックスはアルファベットの音を表しています。
つまり各アルファベットの音を繋げれば単語が発音できるんです。
「bag (かばん)」は「/bˈæg/」と発音します。
カタカナ英語では「バッグ」になりますね。
これをフォニックスで読むとこうなります。
(便宜上カタカナで表記します)
- b : ブ
- a : ア
- g : グ
3つを繋げると「ブアグ」です。
「バッグ」と「ブアグ」では全然違いますね。
そしてこの2つを比べると「ブアグ」のほうが本来の正しい発音に近いんです。
つまり「バッグ」と言っても通じませんが「ブアグ」と言うと通じるということが起きます。
このようにフォニックスを覚えておけば何となくで英単語を読めるようになるんです。
ネイティブスピーカーも学校で一番最初にフォニックスを習う
フォニックスは英語圏の幼稚園や小学校で使われています。
日本人が50音表でひらがなやカタカナを学ぶのと同じですね。
娘もカナダの学校で最初にフォニックスを勉強していました。
英語の発音学習の最初にフォニックスが最適だということがおわかり頂けたのではないでしょうか。
フォニックス学習に最適なYouTube動画3選
フォニックスは音を覚えるものなので勉強に適したYouTube動画を3つ選びました。
どれも子供向けですが歌に合わせて覚えやすい動画です。
1. Phonics Song 2 | KidsTV123
2. Sing and Master the Alphabet From A to Z! | Phonics | + Compilation | PINKFONG Songs for Children | Pinkfong Baby Shark – Kids’ Songs & Stories
3. 体で覚えるABCフォニックス | Let’s Dance ABC! | ABCの歌 | ピンキッツ! Pinkfong – 童謡と子どもの動画 | ピンキッツ! Pinkfong – 童謡と子どもの動画
フォニックスはあくまでもアルファベットそれぞれにひとつずつ発音を当てはめたもの。
実際にはそれ以外の発音も多くあります。
次はフォニックス以外の発音も含まれる発音記号をマスターしましょう。
発音記号を2つの講座でマスター
「英単語のつづりがローマ字通りだったら良いのに…」と思ったことはありませんか?
私はありますし、今でもそう思っています。
残念ながら同じ「a」でも単語によって発音は異なります。
どのように「a」を発音すれば良いかは発音記号を見ればわかります。
発音記号は音を表す40個以上の記号
発音記号はどのような音を出すのかが示された記号で英語では40個近い種類があります。
辞書を見ると発音記号が書いてあるかと思います。
使っている辞書によって微妙に発音が違う場合がありますが、ここでは参考としてよく使われる発音記号をリストアップしました。
発音記号 | カナ | 単語の例 |
---|---|---|
æ | ア | cat |
ɑ | ア | box |
ʌ | ア | love |
ə | ア | vision |
ɑ :r | アー | arm |
ǝ :r | アー | bird |
i | イ | heel |
j | イ | yellow |
ʊ | ウ | book |
w | ウ | wolf |
ɜ | ウァ | her |
u | ウゥ | soon |
ɛ | エ | bed |
ɔ | オ | walk |
ou | オウ | go |
v | ヴ | very |
k | ク | kid |
g | グ | great |
ʃ | シュ | English |
ʒ | ジュ | pleasure |
s | ス | kiss |
θ | ス | think |
ð | ス | mother |
z | ズ | zoo |
tʃ | チ | change |
dʒ | ヂ | Japan |
t | トゥ | top |
d | ドゥ | diamond |
n | ヌ | nail |
h | フ | hot |
f | フ | fancy |
b | ブ | blue |
p | プ | pretty |
m | ム | moon |
l | ル | look |
r | ル | rice |
ŋ | ン | sink |
種類がとても多く、同じ「ア」でもこんなにあるのかと嫌になってしまいましたか?
でもやってみると意外と2-3時間で覚えられる量ですよ。
英スポでは英語初心者のあなたが覚えやすいように発音記号を母音と子音の2つの講座に分けて解説します。
発音記号をマスターしてしまいましょう。
日本人が学びやすい発音講座
英語で使われている発音記号は40個近くあります。
それらを日本語を話す日本人が勉強しやすいように母音と子音の講座に分けて解説します。
日本語の発音との似ているところや違うところを説明したり、日本人が間違えやすい「r」と「l」などを重点的に解説しています。
発音がマスターできたら次は『音節』です。
英語っぽく発音するポイントは『音節』
日本の英語教育でほとんど触れられていないのが『音節』です。
音節とは簡単に言うと「ひとまとまりの音」のこと。
音節が単語=言葉のリズムを作っています。
日本語の音節と英語の音節は全く違うんです。
そのため日本人が日本語の感覚で英語を話しても英語っぽい発音にはなりません。
反対に日本語を学び始めたばかり外国人の発音やイントネーションに違和感を感じる原因のひとつが音節です。
例えば「yesterday (きのう)」という単語は音節が3つの3音節の単語です。
「yes」「ter」「day」に分かれます。
一方、日本語っぽくカタカナ英語で読むと「イエスタデー」となり「イ」「エ」「ス」「タ」「デー」と5音節になりますね。
これではリズムが全く違うのでネイティブスピーカーに伝わりません。
これを理解するための最もわかりやすい例をお見せします。
ビートルズのYesterdayという曲です。
歌が始まる1音目で「yes」と歌っていましたよね?
日本語っぽく歌ってしまうと「イ・エ・ス」と三連符になってしまいます。
このように英語と日本語では音節が違うのでリズムが違うことがおわかり頂けたのではないでしょうか。
それでは音節を歌だけでなく英会話にどう影響するのかご説明します。
英語特有のリズム=音節を理解するとスピーキングがレベルアップ
音節が単語の中での音の区切りになります。
つまり正しい音節以外のところで区切ってしまうと相手が聞き取りにくい英語になってしまいます。
先程のビートルズのYesterdayの歌のように英語と日本語では言葉のリズムが違います。
言葉のリズムの違いは音節の違いが理由。
カタカナ英語のような音節が違う、リズムが違う文をネイティブスピーカーに話しても違和感ばかりで聞き返されてしまいます。
普段「yes・ter・day」と発している人に「イ・エ・ス・タ・デー」と話しかけても残念ながら伝わりません。
日本人がわかりやすい例だと「こんにちは (konichiwa)」を英語のネイティブスピーカーは「コニチワ」と言ったりしますよね?
これは英語の音節で「こんにちは」を発音しているから。
「コニチワ」レベルであればシチュエーションからなんとなく伝わりますが、もっと長い文章になると理解が難しくなってしまいます。
このように音節はスピーキングにおいてとても重要な要素のひとつ。
音節を理解し使いこなせるようになるとスピーキングが一気にレベルアップしネイティブスピーカーっぽい英語になります。
音節を見分ける方法を解説
音節は基本的に以下の文字の組み合わせです。
- 母音
- 子音 + 母音
- 母音 + 子音
- 子音 + 母音 + 子音
なお、母音にはa、i、u、e、oに加えてyも入ります。
「yellow」が「イエロー」と読むことを知っていればわかりやすいかと思います。
上の組み合わせ以外にも音節を区切る・区切らないのルールは接頭辞・接尾辞、母音の種類、サイレントeなどいくつかあります。
具体的にはこちらの記事で勉強してください。
ここまでで発音と音節をある程度のレベルまで習得できたかと思います。
しかし「ある程度」というのが実際のところ。
音に関わる勉強を自分ひとりでやるのは限界があるんです。
自分ひとりでの発音学習の限界を感じたらコーチをつけよう
発音学習は音が何よりも大切。
でも耳で聞こえた発音をそのとおり発音したとしても、自分だけでは果たして正しい発音になっているか判断できませんよね?
これは誰でもそうです。
自分の発音がどうなっているか完璧に把握できませんし、それを適切に修正することは難しいです。
自分だけで正しい発音をマスターするのは難しい
自分が合っていると思った発音でもネイティブスピーカーからすると違っていたり聞き取りにくかったりといったことがあります。
ネイティブスピーカーでない限り自分の中に発音の正解はありません。
TOEICなどのテストは絶対に正解が存在します。
しかし発音は違います。
英語の発音の正解は子供の頃から英語圏で生活していないと"自然と"身につきませんし、さらに言うと正確な発音はアナウンサーなど言葉のプロでないとマスターしていません。
さすがにアナウンサーレベルの発音は必要ありませんが、海外旅行や留学においても正しい発音は必要です。
その正しい発音は日本人の私たちの頭の中にはないので、どう頑張っても伸び悩んでしまったり間違った勉強をしてしまう可能性があります。
つまり発音学習に関しては特に自分ひとりでの勉強に限界があります。
あなたの発音を添削してもらうコーチが必要
自分で正しい発音かどうか判断できないのであればあなたの発音を添削してくれるコーチが必要です。
発音のコーチになるのはこんな人。
- ネイティブスピーカーの友人
- 英会話スクール・語学学校
- 発音専門のコーチ
下にいけばいくほどおすすめです。
それは発音学習の専門知識が必要だからです。
英会話スクールや語学学校でも発音に注力したコースもありますが、先生が専門知識を持っているかと言うと微妙なところ。
一方、発音専門のコーチであれば発音の理論はもちろん発音指導の経験が豊富です。
おすすめの発音専門コーチ『ハツオン』
自分ひとりでの発音学習は限界があるため、発音をもう一段レベルアップさせたいのであれば発音専門のコーチをつけましょう。
私がおすすめしたいのが発音学習に特化した『ハツオン』というサービス。
数々の日本人留学生を受け入れてきたフィリピン留学の会社が提供しています。
元々発音学習に定評があり多くの留学生から良い評価を得ていました。
そんな留学会社が満を持して発音に特化したサービスをスタートさせました。
実際にハツオン
を利用した方の声を引用します。
#ハツオン 6日目
担当のトレーナーさんから録音のフィードバックを貰い、
tried / trάɪd /
training / tréɪnɪŋ /のような母音を改善した方がいいとの事。
こういう細かいアクセントはなかなか自分じゃ気付かないですよね…#英語学習— Stacy (@meichan03535639) November 1, 2021
#ミライズハツオン 6週間ほど経ちました!
まだまだ苦手な音はあるけど…(tとか😂)
続けられてる事と、自分の嫌いな所がが少しずつ減ってきて、好きになってきてる✨#ハツオンチャレンジ 始めて本当によかった!
もっと自信が持てるように頑張る🔥#英語学習 #発音 pic.twitter.com/GafYwqueL9— Shiho (@shiho_K__) October 29, 2021
一音の大切さをしっかり教えてくれます。
そのレベルの授業を毎回受けられるので着実に発音のレベルが上がっていますね。
自分の発音がどうなのか知りたい方、発音のコーチングに興味がある方は無料のカウンセリングを受けてみてください。
今のレベルを知ることが今後の学習スケジュールの計画を立てるきっかけになります。
まとめ
おろそかにしがちな発音学習を英語勉強の最初にしましょう。
その理由はこの3つ。
- 発音学習を英語勉強の最初にすると学習効率が上がるから
- 変な癖をつけずに勉強を始められるから
- アルファベット通りではない発音をするから
発音は語学学習の基礎です。
最初に正しい発音をマスターしておくとあなたの英語学習すべてのベースになります。
発音をマスターできたら次は語彙と文法がターゲットです。
こちらの勉強法を参考に進めていってくださいね。